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COLUMN 5

保護司と A さんの往復書簡

保護司から A さんへ

A さんへ

 保護観察が解除になってから半年後、「こんにちは。お久しぶりです。今日、少しお時間空いていますか?」と A さんからラインが届いて、私の好物を持って、顔を見せに来てくれましたね。運転免許を取得して、介護の資格も取り、仕事に就いて、遠くで初めての一人暮らしもして、大きな環境の変化があったと思います。頑張っているなと思ったし、会いに来てくれて涙が出るほど嬉しかったです。
 年明けには、20 歳の晴れ姿の写真を送ってくれましたね。母親と一緒に撮った写真を見て、とても成長を感じました。
 5 月には、私の誕生日を覚えていてくれて、プレゼントを持ってきてくれてびっくりしたよ。とても感激しました。
 そして大きな変化が起きましたね。赤ちゃんのエコー写真を送ってくれて、いろいろ悩みながらも「春にはお母さんになります」と報告してくれました。これまでたくさんの困難を乗り越えてきて、一回りも二回りも大きく成長した A さん。私のこと、東京のおじいちゃんだと思って頼っていいからね。
 春になり、「さっき生まれました。3800 gとすごく大きくて滅茶痛かったです」と、可愛い赤ちゃんの画像と大変だった出産の報告をもらいました。出産おめでとう!
 嬉しいことばかりではなかったですね。出産からあまり日を置かず、唯一の理解者だった、東北のおじいちゃんが亡くなられて悲しく、本当にショックを受けたと思います。おじいちゃんとお別れをするために、赤ちゃんをお預かりした日は、とんぼ返りで夜、東京に戻ってきて、我が家でご飯を食べましたね。
 実子にも同じ時期に 3 人目が生まれ、同じ年の孫が 2 人できた気持ちで、成長が楽しみです。これから育児で、赤ちゃんの体調が悪くなったり、熱が出たりと心配な時や、うまくいくことばかりじゃないと思いますが、今の A さんならきっと乗り越えていけると思います。
 そんな時はいつでも東京のおじいちゃんだと思って家に来てください。我が家には、赤ちゃんのおもちゃもたくさんあるので、 A さんのお子さんに遊んでもらえると嬉しいです。
  A さんと赤ちゃんは、家族の一員だと思っています。実子同様に私の生きがいです!いつまでも応援していますよ。

[都内保護司]

A さんから保護司さんへ

保護司さんへ

 先生こんにちは。
 保護観察中は、いつも優しく、温かく見守ってくださり、ありがとうございました。
 4 年前の保護観察中に、介護職員の資格を取り、介護の仕事で東京を離れることになりました。それと同時に保護観察も終わり、初めての一人暮らしが始まりました。
 翌年、久しぶりに東京に戻る機会がありました。お世話になった先生に会いたくて、先生が好きだと言っていた手土産を持って伺うと、とても喜んでくださいました。
 令和 5 年には、二十歳の成人式を迎えました。母と並んで撮った写真を新年のあいさつと一緒に先生に送りました。先生は「お母さんに感謝を伝えよう」と言ってくださり、心が温かくなりました。少しずつでも親孝行をしていきたいなと改めて感じました。
 昨年、妊娠がわかったときに先生に報告すると、まるで自分の娘のことのように喜んでくださいました。
 令和 7 年の春、無事に赤ちゃんが生まれた時にも、「出産おめでとう。孫が増えたようだ。落ち着いたら顔を見に行くよ」と声をかけていただき、本当にうれしかったです。
 初めての子育ては、想像以上に大変で思い通りにいかないこともたくさんあります。泣き止まない夜、眠れない日々、不安になる瞬間。。。
 それでも先生が「無理しないでね」、「頑張っているね」と声をかけてくださり、私のことも、子どものことも気にかけてくれていると感じる度に、安心して心が軽くなります。
 サポートしてくださる存在があることは、こんなにも心強いのだと実感しています。
 先生と出会ってからもう 7 年経ちました。
 今では母となり、子どもの成長に毎日驚かせられながら暮らしています。笑ったり、泣いたり、少しずつできることが増えいく姿を見ていると、私も一緒に成長させてもらっているんだなと感じます。
 これから先、子育てや生活の中でまた悩んだり、壁にぶつかったりすることもあると思います。それでも大切な存在を守りながら一歩一歩前に進んでいきたいです。
 先生に出会えたこと、見守っていただいた時間があったからこそ、今の私があると思います。
 これからも母子ともにお世話になることがあると思いますが、どうぞよろしくお願い致します。

[A さん]