ここから本文です

事例 11

加齢等を背景にした困りごとについての相談

76歳になる兄は、3年前に度重なる万引き行為で逮捕されて、保護観察付執行猶予判決を受け、私の家の近くで一人暮らしをしている。
加齢に伴う種々の機能も低下しているように感じられ、近隣住民から「自宅の周りにゴミを放置している」との心配の相談ある。高齢の兄の今後が心配だが、私自身も高齢で支援も段々難しくなってきているの、誰か兄の支援を手伝ってくれないだろうか。

相談内容
兄が地域で安心して暮らし続けるには
どのような支援を受けたらいいですか?

支援のポイント

  • 介護保険制度等の適切な制度の活用
  • 地域での見守り体制の構築

活用できる機関・団体や制度

  • 民生委員・児童委員

    地域住民の生活上のさまざまな相談に応じ、高齢者や障害者世帯の見守りや安否確認などを行うボランティア

    相談結果(事例)

    障害者福祉サービスについて幅広く助言をしてくれる同センターを紹介。

    妹に地域の民生委員・児童委員に相談することを勧めると、さっそく相談し、地域包括支援センターと社会福祉協議会を紹介してもらったとのこと。

  • 地域包括支援センター

    介護・医療・保健・福祉の側面から高齢者を支える総合相談窓口

    相談結果(事例)

    家族からの相談も可能ということで、妹が兄の居住地の地域包括支援センターに相談。相談を受けて、妹とセンターの相談員が兄の自宅を訪問したところ、ゴミがたまっていたりと家事が滞っている状況だった。

    センターの相談員より、介護保険サービスを利用する提案を受け、要介護認定の申請を行った。申請の結果、「要支援」と認定され、兄に担当ケアマネジャーがつき、可能な限り住み慣れた地域で暮らしていけるよう、課題の分析や介護予防ケアプランの作成をしてくれ、訪問型サービスを利用できることになった。また、同じく高齢である妹の悩みや不安の相談にものってくれたとのこと。

  • 区市町村社会福祉協議会

    住民主体の理念に基づき、住民、公私のさまざまな関係者とのネットワークにより地域福祉を推進する民間組織

    相談結果(事例)

    地域福祉コーディネーターが妹と一緒に兄の自宅を訪問し、兄本人の困りごとや近隣への思いを聴き取ってくれた。

    後日、兄本人の了解のもと、地域福祉コーディネーターから近隣住民に状況を説明。近隣住民も理解を示し、以後、ゴミの収集日には兄に声をかけてくれるようになったとのこと。

    さらに地域福祉コーディネーターから、孤立しがちな兄が地域とのつながりを深められるよう、地域のサロンを紹介してもらったところ、最初は参加にためらいがちであったが、地域福祉コーディネーターが同行してくれたおかげで、何度か顔を出すことができている様子。

    また、安心して福祉サービスを利用するため、地域福祉権利擁護事業の契約を結ぶことになった。生活支援員毎月一回訪問して、利用料の支払いや生活費のやりくりについて相談にのってくれているとのこと。今後、必要に応じて、成年後見制度を活用することについてもサポートしてもらう予定。

本人・家族ともに安心できる地域生活へ

弁護士会の相談窓口

弁護士会にも、高齢の困りごとに対する相談窓口があります。

※社会福祉士会や法テラスにも、高齢の困りごとに対する相談窓口があります。

高齢者安心電話【東京社会福祉士会】

高齢者やご家族の日々の心配事、悩みごとを電話で相談できる窓口

法テラス(日本司法支援センター)

国によって設立された法的トラブル解決のための総合案内所