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事例 09

薬物等の依存についての相談

32歳の夫が違法薬物所持・自己使用で逮捕され、3年間服役し、来月の仮釈放が決まった。過去にも違法薬物の使用で逮捕されたことが複数回あり、服役はこれが2度目。 薬物依存からの回復のため、家族として夫を支えていきたいが、どうすればいいのか分からず、再び、薬物を求める状況に戻ってしまうのではないかと不安。 再び仕事に就きたいが、自分がどのような仕事に向いているのか分からず、資格や経験もないので自信がない。

相談内容
夫が薬物依存から回復するために、家族として何をすればいいですか?また、夫が利用できる支援を教えてください。

支援のポイント

  • 薬物依存症からの離脱につながる社会資源の理解
  • 家族としての悩みの共有、本人の回復を見守る必要性の理解

活用できる機関・団体や制度

  • 都立(総合)精神保健福祉センター

    都内の依存症相談拠点

    相談結果(事例)

    電話で相談をしてみると、夫の薬物依存からの回復と、家族に対しての個別相談を実施するほか、関係機関などについても教えてもらったとのこと。

    後日、「依存症家族教室」に参加したところ、支援者や回復者の家族、回復者本人などからさまざまな話を聴くことで、夫への対応を具体的にイメージすることができた様子。

    また、依存症当事者を対象とした「依存症回復支援プログラム」も行っているため、夫に紹介するよう勧められたとのこと。

  • 薬物依存症の治療に対応可能な医療機関

    薬物依存症について治療が必要な人のための機関

    相談結果(事例)

    スタッフとの面談の中で本人の悩みを共有し、今後の方向性とサポート内容を決定。

    精神保健福祉センターから、継続的な治療が必要となる場合もあるとの助言を受け、出所後、夫とともに医療機関を受診。薬物依存症に関して、医師から専門的な話を聞き、継続的な治療を受けることになった様子。

  • 保健所・保健センター

    地域住民の健康の保持及び増進のための拠点として、薬物依存に関する相談にも対応する機関

    相談結果(事例)

    生活相談や家族相談を実施していることを伝えると、自宅(帰住先)から比較的近いところにあるため、何か困ったり不安を感じることがあれば相談してみたいと、心強さを感じた様子。

  • 家族会

    薬物依存について家族が知識を持ち、悩みを共有することで、本人への対応等を共に考える団体

    相談結果(事例)

    さまざまな家族会があるので、相談者である家族が所属しやすい形態の団体を選ぶ必要があるとアドバイス。

    依存症者の家族としての悩みや困難を共有し、まず妻自身が健康に日々を過ごしながら、夫の回復を見守ることを目指していく大切さを伝えた。

    妻は家族としてどのように夫と関わるべきか、時間をかけて答えを見つけていきたいとのこと。

    ナラノン(Nar-Anon)

    薬物の問題で苦しんでいる家族や友人達の自助グループ

    ミーティングに参加し、これまでのつらかった経験や、今後の不安などについて話をしたことで、少し落ち着いた様子。匿名で参加できることも安心材料となった様子。継続的な参加を前向きに考えてみるよう助言した。

    依存症者本人が服役中や仮釈放中の場合は、保護観察所が開催する家族会・引受人会に参加できることもあります。詳細は、保護観察所や担当保護司にお尋ねください。

  • NA(ナルコティクス アノニマス)

    薬物依存症からの回復を目指す自助グループ

    相談結果(事例)

    各地でミーティングを開催しているため、まずは最寄りのミーティング会場に行ってみるよう勧めた。 ※HPで、全国のミーティング開催予定が確認できます。

  • 民間リハビリ施設

    依存症の回復と社会復帰を目指し、回復者が運営する施設

    相談結果(事例)

    スタッフとの面談の中で本人の悩みを共有し、今後の方向性とサポート内容を決定。

    出所後、夫とともに施設を訪問し、入所と通所の違いやそれぞれえてもらったとのこと。