40歳男性のAさんは、飲食店で調理師として働いていたが、違法賭博で財産を失い、勤務先の金庫から現金を盗んだことで逮捕され受刑(懲役)することとなった。実弟を引受人として出所後の生活環境を調整する中、本人から私(担当保護司)宛てに、出所後の就労先について心配する手紙が何度か来たため、焦らず頑張ろうと伝えていた。その後本人は無事出所してきた。本人は刑務所入所中の職業訓練で建築関係の資格を取得し、就労支援スタッフから「出所後は建築業への再就職を目指してはどうか」と勧められたようだが、どこに相談したらいいかと言っている。
保護司
就労に関する相談の総合受付窓口
前歴を開示し、刑務所の職業訓練で取得した建築関係の資格を生かして就労したい意向を伝えたところ、出所者であることを理解して受け入れてくれる協力雇用主を紹介してもらった。
担当保護観察官とも相談し、まずはハローワークに行くことに。受付で事情を話すと専用窓口に案内され、ナビゲーターから、刑務所出所者等が利用可能な就労支援制度について説明を受けた。
意欲を重視してくれる協力雇用主が営む会社(建築業)への応募を決めた様子で、「紹介状」を受け取っていた。
前歴を開示したくないことをナビゲーターに伝え、ハローワークが実施する、応募書類の書き方や面接対策などの講座を利用しながら、一般求人の中から就職先を探すことにした。
刑務所出所者や少年院出院者等を積極的に受け入れる事業者
面接前に本人に「先方は出所者であることを理解されているのだから、安心して正直にお話ししてきなさい」とアドバイスした。
面接では、就労への意欲だけでなく、犯罪に至った経緯や、二度と犯罪をしない意思などを確認されたようで、本人も社会復帰したい思いを伝え、内定をもらえたとのこと。
理解のある雇用主のもとで就労
就職に向けて、必要な知識や技能を習得したい場合
犯罪をした人などに対する寄り添い型の就労支援を実施
開 示:自分が出所者等であることを明らかにして就職活動を行うこと
非開示:自分が出所者等であることを明かさずに就職活動を行うこと