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01 再犯防止とは?

再犯防止が求められる背景

再犯や再非行の防止は地域社会の課題

 犯罪をした人や非行のある少年(以下「犯罪をした人など」といいます。)は、矯正施設(刑務所少年刑務所拘置所少年院及び少年鑑別所等)に入所してもやがて社会に戻ってきます。また、矯正施設に入所しない場合には、社会での生活を継続します。犯罪をした人などの多くは犯罪や非行の責任等を自覚し、自ら社会復帰のために努力して、再び社会を構成する一員として暮らしていきます。
 しかし、さまざまな理由から再び犯罪や非行を繰り返すケースも少なくありません。刑法犯で検挙される人の数は、全体では減少傾向にあり、特に初めて検挙される「初犯者」は大きく減っていますが、「再犯者」はあまり減っていません。刑法犯検挙人員全体に占める再犯者の割合は、上昇傾向にあり、令和4年には47.9%となっており、約半数が再犯者という状況が続いています(図表1)。

刑法犯 検挙人員中の再犯者人員・再犯者率の推移(全国)

何故犯罪をした人などに対する支援が必要なのか

 新たな被害者を生まない、安全・安心な社会を実現するには、犯罪をした人などが犯罪や非行を繰り返さないようにすることが大切であり、そのためには、犯罪をした人などを社会から排除・孤立させるのではなく、再び受け入れて、立ち直りを支えていくことが重要な課題といえます。
 法務省が行った「受刑者に対する釈放時アンケート」(令和2年度分)によると、「もう二度と犯罪はしない」と回答した人は84.9%、「出所後はきちんと仕事をして規則正しい生活を送りたい」と回答した人は77.8%というように、ほとんどの受刑者は、出所にあたり立ち直りを決意しています。
 ところが、出所しても「住むところがない、仕事がない」「高齢である、障害がある」「薬物依存がある」「孤独、相談相手がいない」といった“生きづらさ”がハードルとなり、これを乗り越えられずに犯罪や非行を繰り返してしまう人が少なくないのです(図表2)。
 逆説的に考えると、こうした“生きづらさ”に着目し、地域社会において適切な支援を受けられる仕組みを構築することができれば、再犯のリスクは低くなるといえます。再犯を防ぐためには、本人の努力はもちろん重要ですが、それだけではなく、地域社会や関係機関が連携し、就労や住居の確保、保健医療・福祉サービスの利用につなぐなど、周囲からの支援が必要なのです。

立ち直りのハードル 

国及び東京都の動向

再犯防止推進法と再犯防止推進計画

 こうした背景を踏まえ、政府一体となった再犯防止の取組が進められ、平成28年12月、再犯の防止等に関する施策の基本理念を定め、国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、再犯の防止等に関する施策の基本となる事項を定めた「再犯の防止等の推進に関する法律(再犯防止推進法)」が公布・施行されました。
 さらに、同法に基づき、平成29年12月に、「再犯防止推進計画」(第一次計画)が、令和5年3月17日には、第一次計画下の施策の取組状況や課題を踏まえ、再犯防止の取組の更なる深化・推進を目的とした、「第二次再犯防止推進計画」が閣議決定されました。第二次計画においては、第一次計画の5つの基本方針を踏襲するとともに、第一次計画の重点課題を踏まえつつ、7つの重点課題を設定し、96の具体的な再犯防止施策が盛り込まれています(図表3)。

「第二次再犯防止推進計画」5つの基本方針と7つの重点課題