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05 社会復帰を支える関係機関・団体にはどのような人がいるか

 犯罪をした人などの地域社会での立ち直りに重要な役割を果たすのが、地域に密着した民間ボランティアや、地方公共団体が運営する支援機関です。そのいくつかを紹介します。

更生保護女性会

 更生保護女性会は、地域社会の犯罪・非行の未然防止のための啓発活動を行うとともに、青少年の健全な育成を助け、犯罪をした人や非行のある少年の改善更生に協力することを目的とする女性によるボランティア団体です。全国で約13万人(東京都は約1万人)おり、その地域の実情に即した非行問題等を話し合うミニ集会や親子ふれあい行事などに取り組んでいます。

BBS 会

 BBS 会(Big Brothers and Sisters Movement の略)は、さまざまな問題を抱える少年と、兄や姉のような身近な存在として接しながら、少年が自分自身で問題を解決し、健全に成長していくことを支援する青年ボランティア団体で、全国で約4,400 人(東京都は約400 人)の会員が参加しています。
 近年では、児童福祉施設における学習支援活動や児童館における子供とのふれあい活動等も実施しています。

協力雇用主

 協力雇用主は、犯罪をした人などの自立及び社会復帰に協力することを目的として、犯罪をした人などを雇用する民間の事業主です。現在、全国で約2 万5,000(東京都は約1,200)の企業が協力雇用主として登録していますが、うち実際に出所者などを雇用している事業主は、約1,000(東京都は約100)にとどまっています。
 刑務所出所者等の円滑な社会復帰・職場定着のためには、事業主との適切なマッチングが重要です。そのため、幅広い業種の事業主の登録が求められています。

更生保護施設

 更生保護施設は、刑務所少年院等から釈放された人や保護観察中の人で、帰る家がない、現在の住居では更生が妨げられる等の事情から自立更生が困難な人に対し、一時的に、宿泊場所や食事を提供等する民間の施設で、法務大臣の認可を受けて、運営されています。保護している期間、宿泊場所や食事の提供のほか、生活指導、職業補導などを行い、自立を援助することで、再犯・再非行の防止を図っています。

自立準備ホーム

 施設と同様の機能・役割を持っており、あらかじめ保護観察所に登録されたNPO 法人、社会福祉法人などが、法人で管理する施設の一部を宿泊場所として活用し、それぞれの特長を生かして自立を促します。施設の形態はさまざまで、集団生活をするところもあれば、一般のアパートに居住する場合もあります。いずれの場合も、ホームの職員が毎日生活指導などを行います。

地域生活定着支援センター

 高齢又は障害により自立が困難な矯正施設退所者に対し、退所後直ちに福祉サービス等につなげ、地域生活への定着を図るため、平成21 年度から国により「地域生活定着支援事業(現在は地域生活定着促進事業)」が開始されました。
 この事業では、東京都を含む各都道府県の地域生活定着支援センターが、矯正施設保護観察所、福祉関係者と連携して、以下の業務を行うことにより、支援対象者の社会復帰と再犯防止に寄与しています。

1)コーディネート業務
 保護観察所からの依頼に基づき、本人の福祉サービスのニーズ等を確認し、受入れ先施設等のあっせん又は福祉サービスの申請支援等を行います。

2)フォローアップ業務
 コーディネート業務を経て矯正施設から退所した後、福祉施設等を利用している人に関して、受入れ先施設等に対して必要な助言等を行います。

3)相談支援業務
 矯正施設を退所した人の福祉サービスの利用に関して、本人またはその関係者からの相談に応じて、助言その他必要な支援を行います。